大学時代の部活の同窓会みたいなもので、久しぶりに再開した先輩に連絡先を聞かれ、飲みに誘われたので行ってきました。
前回↓↓↓
ちょっと不自然な距離の詰め方に不信感を抱いていましたが、待ち合わせ場所には先輩1人しかおらず、ひとまず安心でしょうか。
この段階で誰か他の人がいたら、
「ぜひ君に会わせたいと思って、〇〇さんも連れてきたんだ」
「わたし手相見れるんですよ。わー、凄くいい手相じゃないですか!あ、……でもこれは……」
「……なになにどうした、んーこれは良くないね。素人のぼくにも分かるよ」
「でもこの程度なら、一度XX先生に見てもらったらなんとかなりそう……かな。一度XX先生に会いに行きましょう!そうしないと取り返しの付かないことになりますから!」
「そうしよう!それがいい!」
「来週のいつなら都合がいいですか?」
……みたいな展開になり得るじゃないですか。
で高額な壺を買わされるわけです。壺いらねえ。
居酒屋に行ったのですが、空席確認の電話を店に向かいながらしていたのも、疑いをもってみてしまいますね。
あとから誰かが合流してくるパターンもありますし、店自体もグルというか、アヤシイ人たちの巣窟ということだってありうるのかな、と。
店に向かう間も、店で飲み始めてからも、まあ、お互いの近況を話して、結構楽しかったんですけど。
ほとんど喋ったことのない先輩とサシ飲みなんて新鮮な感じでしたし、同世代の会話にも関わらず、ほとんど冗談とか言わずに真面目なトーンで話していましたね。会話を楽しむって感じでした。
お互いの仕事・家族・大学時代の話ときて、将来の夢の話とかになっていって、いよいよ来ましたね。
「なかなかはっきりしたビジョンを描くのって難しいよね。お手本となる人に俺は運良く出会えたけど、ひとりだったらなんとなく過ごして終わっていただろうな。その人はすごくかっこいい人で、実業家で、面倒見がいい人で、人を育てるのを使命としているような人で。その人と28日に会うんだけど、もしよかったら一緒に行かないかい?」
いろいろ端折りましたがだいたいこんな感じです。
話の展開としては結構上手でした。
意識が高い人が意識の低い人(やかましい!)に啓蒙している感じですか。
想定の範疇、といいますか、想定したとおりの展開ですかね。
どうやらビジネスの話らしいので、「儲かる話があるんだけど」と「〇〇先生に会えば道が拓けるよ」の中間的な。
28日は都合が悪いと言ったら、「その週の別の日だったらどこが都合がいい?」とちょっと必死じゃないですか。ぼくはおまけのはずなのに。
「その人に会わなくても、先輩がその人の話を噛み砕いて、ぼくに教えてくれたら、ぼくは十分ですよ」
と言ったら、
「それだと俺のフィルターがかかっちゃうから」と。
「それでも構いませんよ。ふらっと時々現れて、ためになる話をしてくれるのがかっこいいのだったら、ぼくのために予定を調整してくれちゃったらかっこ悪いじゃないですか」と。
うまく断れました。
ぼくにアヤシマれていると感じて、グイグイ来なかったのかもしれませんけどね。
事前のLINEでも言っていた、二日酔いに良いというサプリメントを見せてくれたのですが、それが商材のネットワークビジネスの勧誘なんだろうと思います。
ネットワークビジネスとは、
一つの商品を人に紹介して、売れたら紹介料が手に入る。
その人(子)が更に誰かに紹介して売れたら、その人(孫)の紹介料も手に入る。
子孫のようにどんどん紹介が連鎖していけば自分の報酬は膨れ上がっていく。
……というような感じのものだとぼくは認識しているのですが、大体あってますよね?
ぼくは過去にも勧誘を受けたことがあって(というか、いいバイトの説明会があると言ってセミナーに連れて行かれたのですが)、そのときの仕組みは、子は2人にまでで孫が4人、ひ孫が8人と増えていくのですが、子Aと子Bの系譜が均等に育った状態でないと報酬が発生しないみたいな仕組みがあった気がします。
他のネットワークビジネスも同じなのかは知りません。
ちなみにそのときは、「親に相談する」と言って断りました。
結局、誘ってくれた人もうまくいってませんでしたし、もっと上にいるセミナーの主催者もそのビジネスにかまけて留年していました(忙しくバイトに明け暮れるよりも全然儲かる上に、勉強する時間もちゃんと確保できると言っていたじゃねえかよ)。
ネットワークビジネス自体は全然合法ですし、よくできたビジネスモデルだと思うのですが、相当な技術や運がないと成功しないようなイメージです。
うまく説明できないとねずみ講だマルチだと怪しまれ、友だちを失うことになったり変な噂をたてられたりするようになるでしょうし(マルチそのものですがそもそもマルチ商法は合法です。だめなのは「マルチまがい」の方)。
セミナーに沢山参加しなくてはいけなかったり、自分の子孫を増やすバックアップをずっとしなくてはならなかったり、殆どの場合は忙しく、よほど優秀な子孫が揃っていない限りは、何もしなくても報酬が膨らんでいくなんてことはないんじゃないでしょうかね。
自分が定期購入者になる前提なので、その商品を買う代金は負担し続ける事になりますし。
よほどの生活必需品とか気に入っているものだったらいいのでしょうけど、ビジネス主体で考えているのなら、固定費が増える感じですよね。
ぼくが断ったあと、なんとなく話が盛り上がらなくなってしまいながら、それでも別の話を続けたりして、そのうち解散となりました。
別れたあとにいたずら心が働いてしまったのと、今後ズルズルと勧誘される可能性を潰す意味で、LINEで「あのサプリはネットワークビジネスですか?」と聞いてみました。
しかし、サプリはネット通販で買ったものだということでした。
ぼくがネットワークビジネスについて一定の理解がある話をしたら、やはり先輩はネットワークビジネスをやっているか、あるいはこれから始めたいと思っているかのようで、興味があるなら全面的にバックアップするから一緒にやってみようと言われました。
「成功をイメージできないから遠慮します」と答えると、「ならやめておこう。直感を信じるべきだね」と。
先輩は偏見がないというか、聡明な人という印象でなかなか好感がもてますね。
ちなみに、その先輩の「お手本としている人」とネットワークビジネスの関係性は不明というか確定したわけではないですが、もし関係していたら、ブラインド勧誘になってしまい違法となる恐れがあります。
先輩を犯罪者にしてしまわなくてよかった。
今回のサシ飲みは十中八九勧誘が目的だったわけですが、会話としてはそこそこ楽しかったです。
なので、純粋にぼくと飲みたいと思ったわけではないということは、少しさみしい気もしますね。
勧誘はうまくいかないと人間関係が壊れる可能性がありますが、ぼくは壊れてもいい関係で、勧誘するのに都合が良かったのかもしれません。
それ故不自然な接近になるわけですね。慎重な人なら身近な人は誘いづらいか。なるほど。
ぼくがもっと理解がなくて、先輩のことをアヤシイ人物だと部活メンバーに吹聴する可能性についてはどう考えていたんですかね。
思っているより、真面目で落ち着いていて、しっかりしていると言われましたし。
同窓会ではもっとバカキャラでしたしね。
また飲もうと言っていましたが、どうなんでしょう。
ぼくを勧誘するのは無理ですし、純粋に友だちとしてならいいですよ。
その代わり……次はおごってくださいね!!